2024.12.14
美恵子の誕生日は12月12日。マリモとタラモは12月13日生まれの双子だ。
親子で誕生日が近い。
「そーだ、たまには3人で誕生日祝いに美味しいものを食べようよ」
「ヨッシーもいないから、そのあとタラモの家にお泊まりしよう!」
マリモとタラモは、ここんところ剛のことで疲れ気味の美恵子に気分転換してもらおうと、3人で誕生日を祝おうと提案した。
美恵子からはめずらしく「いいね!」とノリノリの返事。
「お母さん即決だね。相当たまってるんじゃない?」
「そりゃそうでしょ。毎日お父さんにブツブツ言われて、それなのに世話もしているんだから」
「たまには何も考えずに、羽伸ばしてもらいましょ」
年末なのでなかなかお店の予約がとれず、かなり苦戦したが、どうにか美恵子の好きそうな良さげなお肉が食べられるお店を予約することが出来た。
「あーー良かった。めっちゃ楽しみだね。お母さんの鬱憤を晴らしてあげよう」
美恵子は75歳。お肉が好きだがもともと大食いでもなく、年齢もあって量より質を重視しているタイプ。
しかも、偏食というのか偏見というのか、思い込みというのか、めんどくさいというか、自分の経験値で物事を判断するタイプ。なので目新しいとか、最近流行っているというのはNG。食べたことないのに「お母さんこれ嫌い」と言って、まったくチャレンジしない人だ。それただのワガママなんですけど。
そんな美恵子でも「おいしい、おいしい」言ってくれたので大成功。マリモとタラモは密かに見合わせ、心の中でガッツポーズした。
この数時間だけでも剛のことを忘れて、美味しいものを食べてリフレッシュできたはずだ。
美味しいお肉を食べたあと、デパ地下でデザートのケーキやお酒を買って、3人水入らずでお酒を飲みながらペラペラとおしゃべりして楽しんでいた。
「もーさ、お父さんますますボケてきてるのかなあ。最近すぐキレるから、お母さん疲れるわよ」
「何でも、はいはい聞いてるしかないのかな?」珍しく、美恵子のお酒はすすんだ。
若いころは人並みにお酒を飲んで楽しんでいたし、マリモとタラモが成人してからは、一緒にお酒を飲んで、つぶれるほど飲んでいた時期もあったが、年齢とともにほとんど飲まなくなっていた。
ただ、マリモとタラモと会うときはちょっとだけハメを外したいのか、お酒を飲むこともあった。
それにしても今日はちょっと飲んでるなーという印象。
マリモとタラモはそれがなんだか嬉しかった。少し頼られているような気がして・・・。(中編へ続く)
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