
マリモは驚愕した。
お父さん頭おかしくなっのか?
お隣の子どもが、剛が怒鳴りつけてきたことを親に言うのは当然だ。それを親が信じるのも当たり前のこと。
しかしそれを受けて剛は、奥さんが息子に注意するどころか、その奥さん自らがカメラ、マイクを使って息子をコントロールし、剛を煽っていると。妄想? みたいなメールをお隣のご主人に送っていたのだ。
認知症は潜在的な不安から被害妄想が強くなる。そして、いったいこれはいつの話なのか? 何年前か? 時系列がめちゃくちゃになったりもする。
ここ数年、剛はお隣の子どものバスケの音を相当意識しているし、そのことばかりが気になっている様子。
リリコが言うように、一見、認知症というか精神病なのか? と思ってしまいがちだが、本当のところ剛は、芯の部分で何か訴えたいことがあるのではないか。こんなに執着するのはなぜなんだ。とマリモは考えていた。
その反面、美恵子は本当に疲れていた。
剛がちょいちょいお隣にちょっかいを出すからだ。ウチの中でならまだしも、他人を巻き込むのはまずい。お隣の奥さんに何て説明しよう。美恵子は苦しみ、悩んでいた。
とにかく剛はボケによる被害妄想がひどい。それにより激昂する。あることないことがめちゃくちゃで、自分のしたことで、どれだけ身内や他人に迷惑がかかっているかということが分からない。自分が一番被害を被っていると思っているのだ。すでに手に負えないでいた。
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