4 前兆(後編)

マリモは長女として、珍しくまじめに深く考えていた。

剛は認知症なんだ。早く病院に連れていかなければ。でも美恵子がなかなかそれを剛に言えないでいるのを、なんとか説得しなければならなかった。

そう、長女としての威厳を見せなければ、そんな思いがあったのかもしれない。

             亀岡家LINE

とのことだった。

あんなにも剛に怯え、憎しみ、認知症かもと訴えていたのにも関わらず。

ええっ何で?まったく理解できない回答だった。

美恵子はいかなるときも子供を優先に育ててきた。子供たちが大人になり、社会に出て、それぞれの道を歩んでいる現在でも、絶対に子供に金を払わせない。迷惑はかけない。というポリシーがあった。だからこんな時でも愚痴は言うものの、我に返ると「平気だから・・・」みたいになるのだ。

マリモたちからしたら、めっちゃいい親だけど、あまりにも頑固で、こんな時こそ頼ってほしいし助けたかった。力になりたかった。

そう美恵子は、剛がボケてるのを分かっていても受け入れられないでいた。そして信じたくない、また元に戻るのではないか、という微々たる期待がまだあったのだ。

バレたか