46束の間の休息

2025.3.16

「ポン太とチャイ、お誕生日おめでとう!」

リリ子の長男のポン太5歳と、長女のチャイ1歳は共に3月生まれ。この日はリリ子の家に集合してお祝いする予定だ。

マリモとタラモから見たら、甥っ子と姪っ子。子供を持たない2人にとっては、それこそ目に入れても痛くない存在。かわいくて、かわいくて仕方ないのである。

特に独身のマリモは、もっぱらこの甥っ子と姪っ子に貢ぐのが趣味と言っても過言ではないくらいだった。

「1年あっという間だよねー」

「めっちゃ早い。もう生まれて1年たったんだねえ」

「子供の成長は早いよねえ。この前生まれたのに、もう歩いてるんだから」

美恵子をはじめ、マリモ、タラモ、リリ子は誕生日パーティーの準備をしながら雑談を楽しんでいた。

「ホントそう。それと同じスピードで私たちは老化しているわけでしょ」

「こわっ!」

「ホント、それこわっ!」

「それを言うなら、お父さんのボケもそれくらいのスピードでボケていってること?」

「そ、それはさすがにないでしょ」

「いや、そういうことになるねえ」

ホントそうだとしたら、剛はそう先ではない未来には、このかわいい孫のことも分からなくなってしまうのか。そんなの切な過ぎる。

「今日、お父さん来るの?」

「来るに決まってるでしょ」

剛に会うのは約1ヶ月ぶりだ。そう、先日美恵子が体調を崩した際に、剛が心配して大騒ぎしたとき以来だ。

あの時は剛のこと、美恵子のこと、お隣のことでバタバタしていたなとマリモは思った。

そのあと病院に行って、ようやく認知症と診断されたのだ。

薬を服用し始めたが、どんな感じになっているのか? マリモは少し不安がありつつも、期待と興味があった。

水まき

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