47優しいじいさん

2025.3.16

1ヶ月ぶりに見た剛は、ただのよくいる優しそうなおじいさんに見えた。

そんな剛はお寿司をペロリと一人前平らげた。食欲もあるし、カラダは元気なんだなと思った。ただ正面に座った剛をマリモは直視出来ないでいた。もともと苦手意識があるが、ここのところのボケ騒動で、更に苦手意識が増していた。これはいかんなと思い「お父さん、お茶飲む?」「お寿司美味しいね」と無理やり話しかけた。

こういうとき、子供がいると助かる。子供は何の偏見もないから、ポン太はジイジにからみ続けていたし、1歳のチャイも人見知りすることもなくジイジになついた。なので剛は終始笑顔だった。

やはり剛が楽しそうにしているのを見ると、マリモも嬉しかった。

ただ怖いことに、よくよく剛を観察していると時々フリーズし、少し考えてはまた動くといったような行動が多々あった。

おいおい大丈夫か? と思いながらも、ま、精神的には安定しているようなので良しとしよう。

「お父さん、なんか落ち着いてるね? 最近は激昂したりしないの?」マリモが美恵子に聞くと

「するわけないでしょ! やさーーしくやさーーしくしてるもの。もう、お母さんの時間なんてないんだから」

美恵子は、もう剛にすべての時間を費やし、労り、従うことにしたらしい。そうすれば今のところだが、剛は穏やかだった。

しばらくしたら、また変化が起きるだろう。

慣れてくれば美恵子の生活も、もう少し楽しい時間が作れるかもしれない。が、逆に剛の病気が進行して気苦労が増えるかもしれない。それはまだ誰にも分からない。

ただただ、この日は「あーなんて平和なんだろう。こんな日々が続けばいいのに」マリモは思った。

とりあえず先のことは考えずに、1つ1つ今ある課題を解決していこう。そして楽しく! そう決意し、マリモは東京の自宅への帰路についた。

最強孫①

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