
剛に突然怒鳴られたポン太は、一瞬何が起こったのか分からないのか、キョトンとなると同時に泣き出した。
そりゃそうだろう。令和生まれのポン太にとって、おそらくじじいの怒鳴り声なんぞ聞いたことがなく、それは恐怖でしかない。昭和じゃないんだから。しかもいつも優しいじいじなんだから。
「そろそろ初詣に行こうか」
重たい空気に耐えられなくなったヨッシーは、ポン太たちに声をかけた。
さすがヨッシー。名案だ。
剛に対しても、ポン太に対しても、そしてミッチに対しても救いの一言だ。
とにかく傷ついたポン太を癒さなければ。
それに娘のマリモにとっても、自分の親がやらかした何かこの恥ずかしいような状況を、少しでも薄れさせたい忘れたいという思いがあったので、なおさら助かった。
後片付けのために残ったマリモは、しばらくして、ふと剛の様子が気になり、さりげなくリビングの方に目をやった。
どんな顔してやがるんだろう。大好きな孫に怒鳴った自分はさぞかし後悔し、しょげているはずだ。さすがにすぐに感情的になる自分に嫌気がさしているに違いない。
そんな剛はテレビを見ていた。
そう、何事もなかったように。穏やかな顔で、いつも過ごしているような感じ。いたって普通に。
うそでしょ。
「お父さん、もしかしたら忘れてる?」
まるでリセットボタンを押したかのように、ボーと前を向いている。
その様子がとても奇妙で、かつ悲しかった。せつなくて苦しかった。
4コマ漫画
おこづかい

