1予兆

2021.10.24

「おい!うるせー!!!さっきからずーとうるせーんだよ!こんな狭いとこでギャーギャーギャーギャーやってんじゃねーよ!もっと広いところで遊べよ。じょーしきだろ!

おい奥さん、あんたはさあ、いったい子供をどんな育て方してんだよ。あんたは人の迷惑を考えられんのか?自分さえ良ければいいのか?親のあんたがそうだから子供がこうなるんだよ」

剛はもう我慢の限界。お隣に住む奥さんと子供に怒鳴り散らしたのだ。もともと短気な性格で、すぐにキレる。そしてキレルと目が台形になる。なんとも恐ろしい目だ。

剛の隣の家は、数年前に引っ越してきた40代の夫婦と、高校生と小学生の男の子2人兄弟の4人家族。この辺では剛が越してきた50年前に出来た住宅街で、周りは剛同様、子供も巣立った老人ばかりが住んでいた。

そんな住宅街に越してきたお隣さんは、ある意味浮いていて、それにも関わらず友人を招いて庭でバーベキューをするような、ちょっと変わった家族だった。

庭と言っても、駐車場を除けば通路みたいなもので、そこにでっかいバスケットのゴールを設置しており、塀がないため、ほぼ道路にはみ出て使用する感じだった。

その日も小学生の次男が友達4、5人とバスケをやって騒いでいた。しかも最悪なことに、剛の部屋は1階のお隣のすぐ横だったのだ。

これが始まりだった。

ただこの時点では、剛がボケているからこんなこと言ったとは思いもしなかった。だって剛はいつだって短気だし、言いたいこと言うし、でも言ってることがあながち間違ってないんでね。ま、言い方が・・・てのがあるけどね。

コーヒー①

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