2025.4.20
「もう出られる?」
「え?」
「こういうことは早い方がいいんだよ」
ヨッシーは焦っていた。早く剛のところに行って話したかった。思い立ったら行動せずにいられない性分だ。剛の様子はもちろん美恵子のことも心配だったからだ。
翌日になり、ヨッシーの提案で亀岡家を訪問することにしたのだ。
もういーや、スッピンで。
せっかちのヨッシーに急かされ、タラモは化粧をすることを断念し、急いで日焼け止めだけを塗りたくった。
ヨッシーは亀岡家のためにやってくれているんだ。ヨッシーに着いて行こう。それしかない。
亀岡家に到着すると、剛は心なしかニコニコしていて、なんだか嬉しそうだった。
「お義父さん、おじゃまします」
「おう」
ヨッシーはすぐには話を切り出すことが出来なかった。怒り出すのは間違いないからだ。
せっかく少し機嫌がいいのに、自らぶち壊すのだ。
間もなく美恵子は落ち着かない様子で、ヨッシーに目配せした。
よし! ヨッシーは心を決めて切り出した。
「お父さん、昨日お隣のご主人から連絡がありました。また子供に怒鳴ったんですか?」
「そうだよ、また騒いでるんだもん。何度注意してもダメよね。参っちゃうわ。フンッ」
剛の顔色が一瞬で変わり、たちまち不機嫌丸出しになった。
「だいたい何で隣のやつが、ヨッシーに連絡してるんだ!」
「この間、決めたじゃないですか! お隣とのやりとりは私がやると!」
そう、お隣との連絡係をヨッシーがやると2ヶ月前に決めたばかりだ。
「そんなこと言ってないだろ! オレたち夫婦の問題に口出すな!」
あー、やっぱり、やっぱり忘れてるんだ! ヨッシー、タラモ、美恵子3人はひどく落胆した。
しかもその頃、美恵子が剛のことの心労で、心療内科を受診したこともまったく覚えていない様子だった。
そう、剛は病気。アルツハイマー型認知症なんだ。忘れてしまうよね。それは分かっている。病気なんだと分かっているんだけど。きついな。つらいな。悲しいな思ってしまう。
4コマ漫画
最強孫③

